卵管造影検査とは
妊活を進めていく中で、多くの夫婦が一度は勧められるのが「卵管造影検査」です。卵管造影検査とは、子宮と卵管の通り具合を確認するための検査で、造影剤を子宮内に注入し、レントゲンで撮影することで卵管の詰まりや形態異常を調べるものです。
不妊の原因の約3割は卵管の異常によるものといわれています。卵管が詰まっていたり、狭くなっていたりすると、精子と卵子が出会うことが難しくなります。そのため、この検査で卵管の状態を確認することは、不妊治療のステップにおいて非常に重要です。
また、卵管造影検査には「治療的効果」も期待されています。造影剤を流すことで卵管の軽度な詰まりが解消され、検査後数か月は妊娠率が上がるという報告もあります。そのため「痛い検査だけど、やってよかった」と感じる方も少なくありません。
私たちの体験談と感じたこと
夫くんと妻ちゃんも、タイミング法でなかなか結果が出なかったことから、医師に卵管造影検査を勧められました。
次のステップに進むためには避けて通れない検査。二人にとっても大きな決断でした。
妻ちゃんは、検査前から「すごく痛いらしい」とネットの体験談を読んで不安でいっぱい。
夫くんは「自分が代わってあげられない」という歯がゆさを感じながら、できる限り寄り添うしかありませんでした。
不妊治療はどうしても女性側に大きな負担がかかりがちです。
検査や通院の多くは女性が中心で、男性にできることは限られています。その中で大切なのは「一緒にいること」でした。
夫くんは、検査当日も仕事を調整して病院に付き添いました。医師からの説明を一緒に聞き、不安そうな妻ちゃんの手を握ることしかできませんでしたが、それでも「一人じゃない」と感じてもらえることが大切だったのです。
検査を終えた妻ちゃんは「思ったより痛かった」と顔をしかめながらも、「隣で待っていてくれて助かった」と感謝の言葉を伝えてくれました。
夫くんも「ありがとう」と言われることで救われた気持ちになったそうです。
不妊治療を行っている夫婦の多くは30~40代の働き盛り。
男性側は仕事で責任のある立場にいる人も少なくなく、「稼がなければ」というプレッシャーを抱えています。
その一方で「妻を一人にしてはいけない」という気持ちとの葛藤も生まれます。
夫くんも同じように悩みながら、最終的には「二人で受診することに意味がある」と考えるようになりました。
もちろん、毎回の通院すべてに付き添うことは難しいかもしれません。
しかし、卵管造影検査のように心身への負担が大きい検査や、今後の治療方針を話し合う重要な診察には、可能な限り夫婦で一緒に行くことが望ましいでしょう。
それだけで妻の心の負担は軽くなります。
妻ちゃんも当初は「できるだけ自分で頑張ろう」と思っていたそうですが、夫くんに頼れるときは頼るようにし、その分「ありがとう」をしっかり伝えることを心がけています。
不妊治療中はホルモンバランスの影響で体調が優れないことも多く、夫と話すのも嫌になる時さえあります。
それでも、言葉にして伝えることで誤解が減り、夫婦の絆が深まっていくのです。
言葉で伝えることが苦手な人は、手紙やちょっとしたメッセージカードを渡してみてはいかがでしょうか?

卵管造影検査の費用と高額療養費制度
卵管造影検査の費用は、保険適用されるかどうかで大きく変わります。
- 保険適用の場合:おおよそ 5,000〜10,000円程度(3割負担)
- 自費(自由診療)の場合:20,000〜30,000円程度
また、造影剤や鎮痛剤、追加でかかる薬代があると、トータルで1万円を超えることもあります。
不妊治療にかかる費用は回数を重ねると膨らんでいきます。体外受精や顕微授精に進むと、1回で数十万円〜数百万円になることも珍しくありません。こうした費用負担を軽減するために利用できるのが 高額療養費制度 です。
高額療養費制度とは、1か月に支払った医療費が一定額を超えた場合、その超えた分が払い戻される制度です。詳細については、今後記事にまとめてみたいと思います。
さらに、不妊治療に対しては自治体ごとに助成制度が用意されている場合もあります。こうした制度を組み合わせて利用することで、経済的負担を減らすことが可能です。
一度住んでいる自治体の助成制度を確認してみてはいかがでしょうか。
まとめ
卵管造影検査は、不妊治療の過程で多くの夫婦が経験する重要なステップです。検査自体は痛みを伴うこともあり、女性にとっては心身ともに大きな負担となります。しかし、その一方で「卵管の通りを改善し、妊娠しやすくなる」というメリットもある検査です。
夫婦にとって大切なのは、検査を受ける妻を一人にせず、可能な限り一緒に寄り添うこと。男性にできることは限られていますが、「隣にいてくれる」という安心感は女性にとって大きな支えになります。
また、検査や治療には少なくない費用がかかりますが、高額療養費制度や自治体の助成制度を上手に活用すれば、経済的な負担を和らげることができます。
妊活は夫婦の二人三脚。身体的にも精神的にも、そして経済的にもお互いを支え合いながら、一歩ずつ進んでいくことが大切だと、夫くんと妻ちゃんの体験からも学ぶことができます
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