この記事では、大学時代に出会った「夫くん」と「妻ちゃん」が、結婚後に直面した妊活・不妊治療のリアルな体験を紹介します。
ふたりの気持ちのすれ違い、タイミング法の難しさ、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)や男性不妊の検査結果…。
妊活を始める方や、不妊治療に迷っている方に、少しでも参考になれば幸いです。
出会いから結婚、そして妊活スタート
夫くんと妻ちゃんが出会ったのは大学時代。
当時は先輩・後輩の関係でしたが、社会人になってから交際に発展し、やがて結婚しました。
新婚生活はお互いの職場の中間地点にマンションを借りてスタート。
しかし、子どもに対する考え方に温度差がありました。
- 夫くん:「タイミングさえ合えば自然に授かるでしょ」
- 妻ちゃん:「できるだけ早く子どもが欲しい」
この小さなすれ違いが、のちに妊活生活に大きな影を落とします。
妊活どころじゃない!? 妻ちゃんのメンタル崩壊
結婚してすぐ、妻ちゃんに異変が…。
笑顔が減り、会話も少なくなり、どこか不機嫌そう。
楽観的な夫くんは最初、
「結婚したら女性ってこういうもの?」と受け流していました。
けれど日が経つにつれて不安になり、ある夜ついに切り出しました。
「最近、暗いし元気ない。どうしたの?言ってくれないとわからないよ」
すると妻ちゃんは涙ながらに「自分でもよくわからない」と答えました。
夜遅くまで話し合って見えてきたのは――
- 月経不順で体調がつらい
- 実家を離れた寂しさ
- 多忙な仕事と新生活のストレス
心身ともに限界に達していたのです。
そこでふたりは“妊活ルール”を決めました。
- 無理な仕事は減らす(給料ダウンも覚悟)
- いつでも実家に帰ってOK
- 辛いときは我慢せず言葉にする
これを実行した結果、妻ちゃんに少しずつ笑顔が戻り、新婚当初のような日々が戻ってきました。
不妊治療クリニックへ ― タイミング法との出会い
しかし、月経不順という大きな課題は残っていました。
基礎体温をつけてもバラバラで、妊活の目安が立たない…。
そこで、近所のレディースクリニックへ。
検査を受け、薬(低用量ピルなど)で周期を整えつつ、タイミング法を実践することになりました。
- 診察費:1回数千円(保険適用)
- 薬代:数千円~1万円弱
- 通院頻度:月1~2回
金銭的にはそこまで大きな負担ではありませんが、効果は思うように出ませんでした。
検査結果 ― PCOSと男性不妊の影
新しいクリニックに転院し、妻ちゃんと夫くんは本格的な検査を受けました。
- 妻ちゃん:多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
- 夫くん:精子の運動率が低い
ダブルショック…。
医師は「PCOSでも妊娠は可能。精子の運動率も体調で変わる」と励ましてくれましたが、夫くんは内心大きな不安を抱えました。
夫くんの奮闘 ― 生活習慣の徹底改善
「自分のせいで授かれなかったら…」
そう思った夫くんは生活を大改革。
- サウナ・長風呂をやめる
- 通気性のいい下着に変更
- 休日は必ずランニング
- 亜鉛サプリ+栄養バランスを意識した食事
- 睡眠環境の改善(マットレス・枕を新調)
努力の甲斐あって、2回目の精液検査では「数値が大幅に改善」。
医師から「これなら心配ない」と言われ、胸をなでおろしました。
タイミング法の現実 ― 作業化していく妊活
クリニックでの治療は、基礎体温+排卵誘発剤+超音波検査でタイミングを合わせる方法。
まさに「タイミング法」の王道です。
- 診察費:2000~3000円程度(保険適用)
- 薬代:数千円~1万円弱
- 通院頻度:月3~4回
ただ、この頃から妊活が「義務」や「作業」になっていきました。
妻ちゃんは「今日こそ!」と気合いを入れ、
夫くんは「仕事で疲れてるし、明日じゃダメ?」と心が追いつかない。
夫婦の温度差は、精神的なプレッシャーをさらに強めていきました。
妊活を始める方へ伝えたいこと
こうして夫くんと妻ちゃんの不妊治療は「タイミング法」から始まりました。
でも、ここまで来るのにかなりの遠回り…。
だからこそ、これから妊活を始める方へ伝えたいのです。
- 妊活・不妊治療は早めに始めること
- 合わないクリニックは早めに変えること
不妊治療は月経周期に左右されるため、時間がかかります。
一歩踏み出す勇気が、未来につながります。
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